とある縮毛女子の一生

私は縮毛、そして多毛です。

トリコレ

子供の頃から短くしても長くしてもどうにもまとまらず、髪はつねに頭にキノコを被ったようなスタイルでした。母も父も私のことを可愛いよと言ってくれたけれど、真っ直ぐでサラサラの髪に生まれた姉が本当に羨ましかった。中学生になった頃、お年玉で初めて縮毛矯正をしてもらった時の感動は今でも忘れられません。真っすぐにツルンと伸びた髪を寝落ちするまでいつまでもいつまでも撫でていました。その日から、数か月に一度、美容院で縮毛矯正をしてもらうことが私の生活のルーティンとなりました。縮毛矯正は値段も高いし、時間もかかります。でも、学生の頃はアルバイトをして、社会人になってからは給料で、真っすぐの髪を手に入れるために美容院に通いました。

直毛の人には想像できないことかもしれませんが、縮毛というのは縮毛矯正をかけたからといって洗いっぱなしでサラサラになるわけではありません。髪の毛は毎日少しずつ伸びてきて、伸びた部分は縮毛ですから、それをストレートアイロンで伸ばしながら次に縮毛矯正をかける日まで耐え忍ぶのです。

中学1年生の時に初めて縮毛矯正をしてからウン十年、縮毛矯正にかけたお金と毎日鏡の前でストレートアイロンを使い続けた時間はいったいどれくらいになるんだろう、そして私はこれからお婆さんになるまでこれを続けるのだろうか、と思うとため息が出ます。縮毛というコンプレックスをゼロに戻すためだけにかけるお金と時間。はああ。

そしてオバサンと呼ばれる年齢になり、私の頭に白髪が目立つようになってきました。老化です。なんという事でしょう。縮毛矯正という一生モノのルーティンに更に一生モノの白髪染めというメニューが加わり、特別でもなくごく「普通」のスタイルを維持することさえどんどん厄介になってきました。もう面倒くさい、悪あがきはやめてしまいたいと願う自分と諦めきれない自分の間で気持ちが揺れ動きます。そして私は今日も広瀬すずちゃんのぱっつんボブを眩しく眺めているのです。